本の紹介−河野太郎/著『原発と日本はこうなる』
2021-09-10


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河野太郎/著『原発と日本はこうなる 南に向かうべきか、そこに住み続けるべきか』講談社 (2011/11)
 
 河野太郎が自民党総裁選に立候補した。河野は「脱原発」が持論であるが、総裁選の支持拡大を狙い、原発容認に軌道修正を図ったとの論調がみられる。彼が、次期総理大臣になる可能性が高いので、河野の原発に対する考えを知るため本書を読んでみた。この本は、福島原発事故の後の2011年に出版された。
 
 世間一般に言われているのと違って、河野太郎は「反原発」論者ではない。本書で、言っていることは「原発事故隠しをするな」「情報隠しをするな」「核燃サイクル反対」「自然エネルギー推進」であって、反原発ではない。河野太郎は、原発に対して、かなり勉強しているようで、原発の安全性・危険性を自分自身で判断しようとしているように思われる。
 なお、核燃サイクルは「もんじゅ」の廃炉が決定して、すでに廃止になっている。
 
 「自民党政権下での原子力村の暴走」の項では、甘利明・細田博之・小池百合子の名前を出して、彼らが議員立法で提出した「エネルギー政策基本法」を原子力村の暴走として批判している。ここを読むと、批判に挙げられた甘利明や細田博之が、河野太郎が総理総裁になることを嫌がるのも理解できる。特に甘利明はURをめぐる口利き疑惑など、ダーティーな政治家だから、河野太郎とはソリが合わないのだろう。
 
 P174で、原発を40年を超えて延命することに反対している。河野太郎が総理大臣になった時は、原発の延命をどうするのか、興味が持てる。

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