本の紹介-一冊でわかるロシア史
2020-12-08


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関眞興/著『一冊でわかるロシア史』河出書房新社 (2020/10)
 
 キエフルーシ以降、近年までのロシア・ソビエト政治史の概略。ロシア史の知識がない人が、数時間でロシア史の概要を理解しようとする場合には最適。
 ロシア政治史の難しいところは、ロシアは広いので中央以外の周辺が多く、また周辺民族や国家との関わり合いが複雑なところだが、本書にはそのようなことはほとんど書かれていない。また、文化史に対する記述も本書にはない。このため、本書を読んだところで、ロシア史の全体像が理解できるわけではない。
 本のタイトルに「一冊でわかる」とあるが、本書でロシア史の全体像が分かるのは無理だろう。
 それにしても「一冊でわかる」とのタイトルは不思議だ。例えば、高校教科書の詳説日本史は一冊で日本史が分かるように書かれているので、各国史が一冊で分かるのは当然のことだろう。ロシア史の解説本に「一冊でわかる」と書く理由は理解できない。とにかく、本書を読んだところで、ロシア史の全体像が理解できるわけではない。
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