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『オホーツク諜報船』西木正明/著 (1980.7) 角川書店
北方4島周辺海域はソ連・ロシアの施政下にあるため、日本の漁船が無許可で漁業することはできない。不良漁民により密漁が行われるが、一部には、ソ連のスパイ活動をする代わりに、密猟を見逃してもらうものもあった。このような船を「レポ船」という。
本書は、レポ船を題材とした小説。それなりに取材がなされていて、ある程度レポ船の実態を反映しているようにも思えるが、何が真実で、何が作り話なのかよくわからない。当時の北方4島周辺海域の密猟の雰囲気を理解する上で、一定の参考にはなるかもしれないが、それならば、本田良一氏の本を読んだほうが事実が分かって良いだろう。単なる娯楽小説として読む以外は、特に、読書の価値は少ないかもしれない。
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