本の紹介−原発がなくても電力は足りる!
2011-12-04


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 100ページ足らずの安価な本です。
 多くの原発が止まっていたにもかかわらず、今年の夏は省エネで乗り切ることができた。このため、原発がないと大変なことになるとの風説には根拠がないデマ話だったことが広く認識されるようになってきた。
 本書は、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏を中心に執筆されたもので、原発が不要であることを分かりやすく説明している。

 本の紹介は以上で終わりです。以下は、自分の経験と見解。

 10年以上前、燃料電池発電の研究に関与したことがあった。当時、電力危機が叫ばれており、夏場の電力不足が真剣に懸念されていたため、1つの町程度の電力を対象に、緊急発電する大型燃料電池の開発を目指していた。夏の昼間の電力使用最盛時に、燃料電池発電システムを稼動して、緊急電力をまかなうものだった。ところが、電力がだぶつくようになって、このプロジェクトは立ち消えになってしまった。
 もし、電力が本当に不足するならば、このとき研究した燃料電池発電を実施するなり、他の方法を考えるなりすれば、十分に対応できるはずだ。燃料電池は1kw時あたりの発電単価は高いけれど、電力需要が大きいときに、即座に対応できるメリットがある。原発のように、使わないときにも発電するような間抜けなことはないので、いろいろな発電システムの1つと考えれば、原発の不足分を十分にまかなう可能性があるものだ。(研究は途中で頓挫したので、正確なことはいえない。)
 太陽光発電・風力発電など自然エネルギー発電には、それぞれ特有の欠点があって、自然エネルギーだけで電力をまかなうことは不可能だ。しかし、どの発電システムにも、特有の利点と欠点があるので、現在の発電は、複数の種類を組み合わせて、効率的運用を図っている。太陽光発電・風力発電などを本格的に導入するには、その欠点を補うシステムを構築する必要があるので、現在の発電システムをそのままにして、いきなり自然エネルギー発電システムを投入して、効率的運用をすることは、不可能だ。原発をなくし、自然エネルギー発電を増やすとの国家的方針を立てて、その方針の中で、効率的発電システムを構築する必要がある。
[本]
[原発と核]

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