2009-07-09
現在、北方4島はロシアが実効支配しています。この状態を、日本政府は『不法占拠』と説明していますが、では、いつから不法なのかという点に対して、はっきり言っていないようです。
たとえば、今年(2009年)5月30日の衆議院外務委員会で、橋本聖子外務副大臣は、以下の説明をしました。
『北方領土はロシアによる不法占拠が続いていると認識をしているところであります。第二次大戦後に北方四島がソ連に占拠されて以来、政府の一貫したこれは認識でありまして、これまで繰り返し表明をさせていただいております。』
良く読むと、『第二次大戦後に北方四島が占拠された』『現在も、不法占拠が続いている』と、2つのことを言っています。いつから不法になったのかを明らかにしていません。
ところが、民主党衆議院議員で、沖縄及び北方問題に関する特別委員会委員長の前原誠司は、6月11日の同委員会で、北特法改正案についての説明の中で、以下の発言をしています。
『我が国固有の領土である北方領土が、昭和二十年八月以来、旧ソ連に不法に占拠されたことにより、・・・』
この説明だと、昭和20年9月以降は『不法占拠』との意味になります。
ポツダム宣言第7条は『・・・聯合國ノ指定スベキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スル為占領セラルベシ』となっているので、前原説明だと、日本はポツダム宣言を拒否することになり、国際法に違反します。
日本政府の説明に比べ、民主党前原委員長説明は、あまりにも、軽率な発言です。
注)日本が独立を回復した以降、不法占拠状態になったとか、あるいは、日ソ平和条約により戦争終結以降に不法占拠状態になったとの説明ならば、ポツダム宣言の問題は生じません。
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