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五十嵐隆幸/著『台湾有事-歴史・軍事・安定のメカニズム』 (中公新書)(2026/7/23)
私には、あまり興味が持てる内容ではなかったが、読んだことを忘れないように書き留める。
著者は30代後半で、日本大学・通信教育部を卒業した後、防衛大学大学院で学び、45歳で博士課程を修了したようだ。20代、30代前半は何をしていたのだろう。防衛大博士課程修了後は、防衛大准教授や防衛研究所研究員を務めた。
本書は、前半で、台湾の政治史を記す。政権と対中国政策は詳しいが、台湾の経済発展との関係や、民衆世論との関係が希薄。政権の方針と軍事に関心が強いのは、軍事関係者一般に言える傾向だが、本書もそのような視点だ。
本書後半では、中国が台湾に武力行使した場合の戦力、台湾の防衛戦力など、台湾戦争の軍事面を記述している。でも、もし仮に戦争になったら、経済・外交・国内世論対策を含めた総力戦になるだろうから、軍事的な面だけでは正しい理解にならないだろう。
ところで、不思議な(あきれた)記述がある。
「2022年2月、多くの専門家が『ロシアがウクライナへ侵攻する可能性は低い』と楽観視するなか、現実は覆され、ロシアは圧倒的なパワーを持って現状を変更すべく侵攻に踏み切った。(P184)」
著者周辺の専門家は、防衛省防衛研究所や笹川平和財団の研究者が多いはずだが、頭が良くない専門家はロシア政治を誤って理解する傾向が強いのかもしれない。しかし、まともなロシア政治研究者の多くが『ロシアがウクライナへ侵攻する可能性は低い』と情勢分析していたとは考えられない。
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